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大会長挨拶

大会長

第37回日本歯科医学教育学会総会および学術大会
大会長 大野 敬
奥羽大学歯学部 歯学部長

2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災から7年が経過します。

歯学教育モデル・コア・カリキュラム平成28年度改訂版の改訂歯学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方では、社会の変遷への対応において、災害時の歯科医師が関わる必要性が強く盛り込まれています。また、歯学教育機関における教育の質を保証するための、歯学教育分野別評価制度の円滑な正式実施に向けて協議がなされているところです。そこで、今後の歯科医学教育の方向性を明確にする必要があることから、「東日本大震災から7年!今後の歯科医学教育の方向性」を本学術大会のテーマに掲げて、2018(平成30)年7月27日(金)~28日(土)に、奥羽大学(福島県郡山市)にて開催させていただく運びとなりました。

東日本大震災という未曾有の災害に遭遇した岩手医科大学歯学部、東北大学大学院歯学研究科、奥羽大学歯学部から、それぞれの現状を「東日本大震災に遭遇した3大学の今」と題して、シンポジウムを企画しました。

特別講演は、走り幅跳び日本記録保持者の池田久美子選手や400m日本記録保持者の丹野麻美選手らを次々と世に送り出した、福島大学人間発達文化学類教授で同大学陸上競技部監督兼コーチの川本和久先生に「勝利への伴走者」の演題でお話し戴きます。

開催地の郡山市は、福島県中通り中部に位置する市で中核市に指定されています。また、戦後の復興期から市民の音楽活動が活発に行われてきましたが、2008(平成20)年3月、音楽都市宣言を行い、その後、市内の小中学校、高等学校では音楽活動が盛んとなり、いくつもの学校、団体が各コンクールにおいて輝かしい成績を残しています。学術大会1日目午後の「学会の夕べ」では2015(平成27)年NHK全国学校音楽コンクールで金賞を受賞し、全国の頂点に立った福島県立郡山高等学校合唱部によるコーラスをお願いしています。

その他、教育能力開発委員会によるシンポジウム「歯科医学教育者のためのワークショップ(富士研)~これまでとこれから~」、ランチョンセミナー等、多くの企画を準備しています。

なお、福島県猪苗代町出身の細菌学者で、黄熱病や梅毒等の研究でノーベル生理学・医学賞の候補に三度名前が挙がった、忍耐の人と称される野口英世先生をポスター像とさせていただきました。

東北地方はまだまだ復興の途中にあります。とくに福島県では東京電力福島第一原子力発電所の事故による風評被害が今なお課題となっています。

是非、会員の皆さまには、風評被害の払拭のためにそして本災害を風化させないためにも、総会・学術大会へのご出席を心よりお待ち申し上げます。