大会長挨拶

大会長
第39回日本歯科医学教育学会総会および学術大会
大会長 櫻井 孝神奈川歯科大学 学長

平素より一般社団法人 日本歯科医学教育学会会員の先生方には一方ならぬお世話になり、誠に有難うございます。厚く御礼申し上げます。会員の皆様におかれましては、COVID-19の世界的感染拡大により様々な影響を受けておられることと拝察いたします。心よりお見舞い申し上げます。

さて、2020年9月26日(土曜日)~9月27日(日曜日)の2日間に渡り、私共神奈川歯科大学において開催させていただく予定としておりました、第39回日本歯科医学教育学会総会および学術大会につきましては、COVID-19の感染状況に鑑み、既に御存知のとおり横須賀での開催を断念せざるを得ない状況となりました。本来であればペリー来航の地である横須賀に、全校各地から先生方に足をお運びいただき、まさに膝を交えて歯科医学教育の原点について話し合い、その未来を共に考える機会とさせていただきたく、大変楽しみにいたしておりました。しかしながら、歯科医学教育界に範を示すべき本学会の学術大会において、万が一にも感染を発生させてしまうような状況を生じさせてしまいました際には、大会長としてお詫びするすべもございませんことから、断腸の思いで現地開催を断念するに至りました。発表を予定しておられる先生方、また関係者の皆様には大変御迷惑をお掛けすることとなり、誠に申し訳ございません。衷心よりお詫び申し上げます。また、今回の学術大会におきましては、大変多くの団体様、また企業様から御支援をお申し出頂いておりましたが、御期待に沿えない運びとなり誠に申し訳ございません。重ねてお詫び申し上げます。

先に御案内させていただいておりましたが、今回の学術大会におきましては、我が国における少子超高齢社会の到来に伴う疾病構造の変化や、社会的ニーズの多様化などにより、大きな変換点を迎えている本邦の歯科医療の変遷や、歯科医師国家試験が実質的競争試験と化された後の我が国の歯科医学教育の姿を踏まえ、理想的な歯科医学教育のあり方を皆様とともに考える機会とさせていただきたいと考えておりました。また、高等教育における機関別認証評価の義務化に加え、さらに分野別評価が追加されることに伴い、全ての大学の事務的負担増加が避けられない状況の中、働き方改革の施行により、限られた人的資源に対して厳しい労働時間制限が課されることとなり、各大学様々な対応を迫られております。それら歯科医学教育現場の現状を踏まえ、大会テーマを『歯科医学教育の原点から未来を創る』と定め、これからの歯科医学教育の理想的な姿について共に考え、意見を交換する場にしていただきたいと考えておりました。COVID-19感染拡大の影響により、誠に残念ながら今回横須賀にお越しいただくことは出来なくなりましたが、講師の先生方、会員の皆様からの貴重な御発表につきましては、学会ホームページ上、あるいは抄録集上で発表させていただける運びとなりましたので、何卒御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

皆様の御安全と御健勝、そして益々の御発展を御祈念申し上げます。