大会長挨拶

大会長
第32回日本レーザー歯学会総会・学術大会
大会長 五味一博鶴見大学歯学部歯周病学講座 教授

鶴見大学歯学部歯周病学講座では、令和2年11月28日(土)、29日(日)の2日間にわたり第32回日本レーザー歯学会総会・学術大会を横浜の地で開催させて頂く予定でこれまで鋭意準備して参りましたが、このところの新型コロナウイルス感染の拡大を受けて医療系学会としての社会的責務と学会員をはじめ学会参加者の方々の感染リスク低減を重視するべき観点から、やむなく現地開催を断念し誌上での開催とすることにいたしました。

日本レーザー歯学会は平成元年に日本レーザー歯学研究会として発足し、平成3年に日本レーザー歯学会と標榜を変えながら日本の歯科におけるレーザー治療を32年間に渡り牽引してまいりました。会員の構成は大学の臨床講座、基礎講座をはじめとし、開業医の先生方がそれぞれ同程度からなるというバランスの良い会員構成を特徴としております。当初は少しばかりマニアックな領域、治療であったかもしれませんが、現在ではう蝕歯無痛的窩洞形成、レーザーによる歯石除去、アフタ性口内炎に対する口腔粘膜処置など6項目にわたり保険収載されるまでになり、社会におけるレーザーの認知度が高くなってきていることを伺わせます。しかしその一方で、歯科における医療事故の中にレーザー治療に基づくものが増えてきているのも現状です。そこで、本大会のメインテーマを『社会におけるレーザー歯学の未来』とし現在、臨床に応用されている各波長のレーザーについての基礎知識と保険収載されているレーザー治療の安全性に基づいた正しい使用法について足元をしっかり見つめたいと思います。そしてその上で、今後、低侵襲の歯科治療として応用が期待されるレーザーの応用について考えていきたいと思います。

誌上開催とはなりましたが、発表される皆様、参加されます方々にとり、有益な学会となりますよう準備していく所存です。会員の皆様のみならず、レーザー機器をご使用の先生方のご参加を心よりお待ちしております。