大会長挨拶Message from the Congress Chairperson

第38回日本接着歯学会学術大会開催のご案内-ライフステージに応じた接着歯学-
大会長
第38回日本接着歯学会学術大会大会長
愛知学院大学歯学部保存修復学講座特殊診療科教授 冨士谷盛興

この度,「ライフステージに応じた接着歯学」というテーマで,2019年9月28日(土)・29日(日)の両日,名古屋駅前の「ウインクあいち」におきまして第38回日本接着歯学会学術大会を開催させて頂く運びとなりました。中部地区では初めての開催となります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

現代の接着歯学とは,単にう蝕に罹患した部分のみを削って修復するための学問ではなく,乳歯の時代から接着を活かして歯質,歯髄を極力保存し,口腔機能を管理することにより,高齢者になっても口腔機能低下はもとより全身のフレイルに陥らないよう健康寿命の延伸に貢献する学問体系の一つであると考えています。そのためには,ライフステージに応じて種々のことを勘案しながら接着を最大限活かすよう図らなければなりません。

そこで,本学術大会は,ライフステージに応じた接着歯学をテーマとし,生涯にわたる口腔管理に活かす接着歯学に関して考えてみたいと思います。①小児歯科分野:乳歯をまもる接着歯学(乳幼児期~学童期),②矯正歯科分野:着く接着,外せる接着(学童期~成人期),③保存・補綴歯科分野:Digital Dentistryを活かす接着歯学(成人期~高齢期),④保存・補綴歯科分野:根管象牙質へ挑戦する接着歯学(成人期~高齢期),⑤高齢者歯科分野:地域包括ケアシステムにおける接着歯学(高齢期)というライフステージに応じた5つのトピックについて,それぞれの専門家によるリレー講演をオムニバス的に行います。

とくに,小児と高齢者のステージは,最小限の切削・接着修復に加えて術後管理やセルフケアを通じて再修復を繰り返す負のサイクルに陥らないよう,再石灰化を含め口腔内の環境改善を生涯にわたって行う口腔管理にポイントを置きました。このようにライフステージに応じた接着歯学の活かし方を種々の観点から歯科医療従事者に発信し,それが国民の生涯にわたる口腔管理に活用されることにより健康寿命の延伸に貢献する学術大会にしたいと願っております。また,日頃よりお世話になっております賛助会員や協賛企業からの発表も設けております。

大会は,友田篤臣運営委員長,中野健二郎準備委員長ならびに掘江 卓実行委員長を中心とし,教室員一丸となって大会準備を鋭意進めてゆきます。また懇親会では,いわゆる名古屋めしをご堪能頂けるように準備して参ります。一般口演やポスター発表にも積極的にエントリーして頂きたく,そして多くの皆様のご参加を賜りたく何卒よろしくお願い申し上げます。