本文へジャンプ

ご挨拶

大会長

第5回日本口腔検査学会総会・学術大会を開催するにあたりご挨拶申し上げます。

我が国の医療制度は1906年医師法・歯科医師法の制定により医科・歯科の2元制となりました。以来、今日まで約100年が経過しましたがこの制度は依然として維持されています。その一方で、医療の観点からの我が国の状況は大きく変貌しています。その一端として生活習慣の変化・社会の高齢化・ストレス社会の形成などを背景とした青壮年層~老年層の広い範囲にわたる有病者率の上昇や疾病構造の変化が挙げられます。これらに対応すべく「医学・医療」においては様々なテクノロジーが開発・導入されてきています。その結果、従前の医師の経験に頼るところの大きい医療から医師個々の経験に加え、新たに開発・導入された技術を駆使して得た客観データを加味した医療に変化することにより、「診断・治療」が飛躍的な進歩を遂げてきています。この客観データの主役を担うものが「臨床検査」です。このように「国民の社会状況」および「医学・医療の場」において「時代は変化している!!」

それでは「歯学・歯科医療」はどのような状況でしょうか? 「歯学・歯科医療」は2元化されてから長い間、歯牙とその周囲組織に限定された範囲が対象でした。端的に表現すれば歯科は全身から切り離された世界、近年よく使われる表現で言う「ガラパゴス状態」でした。検査に関しても歯科領域において新たに導入されたものの大部分が歯牙およびその周囲組織に限局されるものであるのが現状です。しかしながら、後述のように「歯学・歯科医療」も「時代は変化している!!」

近年、歯周病・歯周病原性菌を中心として口腔領域の状況と様々な全身疾患が相互に密接な関連性をもつことが明らかにされつつあります。つまり、現代は法制度下ではともかくとして「医学・医療」と「歯学・歯科医療」は別個のものとは考えられない状況となっているといえます。それ故、医科領域では診断・治療において欠かせない存在となった「臨床検査」は歯科領域にとっても必要不可欠なものと考えるのが当然ではないでしょうか。

しかしながら、現在の歯科医療では全身と口腔のつなぎ役ともいえる「臨床検査」が置き去られた状況となっています。このままでは歯科医療は「検査」が大きく欠落するという、時代に取り残された医療分野になりかねません。我々、「歯学・歯科医療」に携わる者はこの状況を脱することが急務であると考えます。そこで、第5回日本口腔検査学会学術大会では「時代は変化している!! ~歯科医療における臨床検査の必要性~」をメインテーマに掲げ、歯科医療における臨床検査の必要性・有用性を検証すると共に「歯学・歯科医療」に臨床検査を根付かせるにはどのような方略が必要なのかを模索するため、より多くの先生方にご参加いただき、活発な討論が展開されることを期待いたしております。

第5回日本口腔検査学会総会・学術大会
大会長 福本 雅彦

ページの先頭へ戻る

  • ご挨拶
  • 開催概要
  • プログラム
  • 演題募集
  • 参加登録
  • 会場案内
  • 宿泊案内