ご挨拶
この度、第63回日本口腔衛生学会・総会が2014年5月29日(木)、30日(金)、31日(土)の3日間にわたり熊本市で開催される運びとなり、私がその学会長を引き受けることになりました。微力ではございますが、この重責を全力で果たす所存です。
本学会は、口腔衛生学の進歩と発展による国民の健康と福祉の増進への寄与を目的とし、歯科領域の疫学を含む基礎・臨床研究から社会歯科学研究までの幅広い領域の研究成果を社会に向けて発信しております。近年、我が国の3大死因はすべて生活習慣病に起因していましたが、2011年の人口動態統計結果によりますと、脳血管疾患に代わり感染症である肺炎が3位に入りました。特に65歳以上の高齢者や要介護者では誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がきわめて高いため、口腔保健の大切さが強く指摘されています。一方で、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病と歯周病との関連性が指摘されており、口腔保健は歯科疾患を予防して口腔機能を健康に保つだけでなく、全身の健康増進や生活習慣病の予防にも欠かせない要素のひとつであると考えられています。このような背景から、口腔保健の大切さについての国民の更なる意識向上を目指して、本学会・総会のテーマを「口腔保健から全身の健康を考える」としました。熊本城に近接した崇城大学ホール(熊本市民会館)と熊本市国際交流会館の両施設合計6つの会場において、学会賞受賞講演、特別講演、シンポジウム、ミニシンポジウム(自由集会)、国際セッション、一般講演(口演・ポスター)およびランチョンセミナーなど多くの企画を準備しています。なお、今回は熊本市で初めて開催するにあたり,熊本県歯科医師会からの後援を頂きました。また,本学会・総会のテーマに関連した同歯科医師会の活動の一端をご紹介していただくシンポジウムも企画しております。
熊本市は九州で3番目に人口が多い政令指定都市で、熊本城や水前寺公園などの観光名所のほか馬刺しや辛子レンコンなど、熊本ならではの美味しい食べ物が数多くあります。また、熊本市の東には外輪山で囲まれた雄大な阿蘇五岳、西にはムツゴロウで有名な有明海と天草、南には急流下りの球磨川、そして北には温泉郷として知られている山鹿や玉名などがあります。本学会・総会終了後に東西南北のいずれかに足を運んでいただき、「くまもと」をご堪能いただければ幸いです。
皆様の本学会・総会へのご出席を「くまモン」共々心からお待ち申し上げます。
2013年9月吉日
一般社団法人 日本口腔衛生学会
第63回日本口腔衛生学会・総会
学会長 前野 正夫
日本大学歯学部衛生学講座 教授