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大会長挨拶

ご挨拶

大会長

このたび、日本歯科保存学会2016年度春季学術大会(第144回)を栃木県宇都宮市にて開催させていただくことになりました。2016年6月9日(木)および10日(金)の日程で、会場は栃木県総合文化センターを予定しています。歴史と伝統のある日本歯科保存学会の学術大会として、ご参加いただく皆様が有意義な大会であったと思っていただけるよう、教室員や関係者一同にて鋭意準備を進めております。

現在、歯科保存学は修復学、歯内療法学および歯周病学の3分野から構成されておりますが、最終的な目標は「歯の保存」として共通しています。また、日本における65歳以上の人口が2007年に21%を超えて高齢社会から超高齢社会に入り、今後もさらなる65歳超人口の増加が予測されています。これまでも高齢社会現象に目を向け、保存治療の将来をテーマとした学術大会が幾度か開催されました。現状としてはその変化は加速度を増しており、歯を保存して口腔の健康を維持するという視点だけではなく、加齢による「心と身体」を含めた健康維持における歯科保存治療のあり方について皆様と考えることを目的として、本大会のテーマを「超高齢社会を見据えた保存治療のあり方」とさせていただきました。

そこで同テーマのシンポジウムとして、修復学、歯内療法学および歯周病学の立場から高齢者への保存治療の臨床と将来についてお話をいただく予定にしております。シンポジウムの発表と会場でのディスカッションを通して、高齢者における保存治療領域からみた歯科治療のあり方についてさらに理解を深めていただければと期待しております。シンポジウムのほかに、高齢者の「心と身体」に視点をあてて歯科治療における留意点を再認識していただけるような「特別講演(予定)」および地域における高齢者対応などについて行政の立場からお話しいただく「招待講演(予定)」などを企画しております。さらに「先端講演」では、近年、普及が目覚ましい歯科用小照射野X線CT(歯科用CT)の開発者である日本大学歯学部特任教授・新井嘉則先生に保存治療における歯科用CTの活用についてお話をいただく予定です。歯科用CT撮影の保険適応範囲が2012年4月から拡大され、昨年度からは歯科用CTおよび手術用顕微鏡を併用した歯根端切除術も先進医療として保険導入されています。現在では、歯科用CTは歯科保存学のみならず、口腔外科、歯科インプラントおよび顎関節症の治療など多領域における重要な診断ツールの一つと認知されています。講演に参加された皆様にとって、日常臨床に役立つヒントを提供できればと考えています。

また、日本歯科保存学会では産学連携研究における利益相反(conflicts of interest:COI)をマネージメントするためにCOIに係る指針を策定し、2015年6月24日から2年間の暫定施行期間をおいて施行することになっています。本大会では、学会員や学会関係者の皆様にCOIに関する理解を深めていただくことを目的とし、啓蒙活動の一環として日本歯科大学生命歯学部教授・八重垣健先生による「教育講演」を予定しています。ぜひともこの機会にご参加いただければと思います。

学術大会開催地の宇都宮は、鎌倉時代に藤原宗円が宇都宮氏を名乗ったことから名付けられ、日光東照宮の造営を機に日光・奥州両道の分岐となる宿場町として賑わいました。最近では宇都宮餃子が有名となっていますが、カクテルの隠れた聖地でもあり、高度な技術をもったバーテンダーが多数いることでも有名となっています。さらに、大会会場である栃木県総合文化センターに近接して、大きな鳥居で有名な宇都宮二荒山神社や、少し足をのばせば名城として知られた「宇都宮城址公園」なども必見です。宇都宮での日本歯科保存学会学術大会の開催は今回が初めての試みであり、ぜひとも宇都宮の魅力を大会期間中に肌で感じていただきたいと思います。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

日本歯科保存学会2016年度春季学術大会(第144回)大会長
日本大学歯学部保存学教室歯内療法学講座
小木曽文内

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