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大会長挨拶

大会長

良い歯で健康、長寿の人生 ―保存学3分野のエキスパートが歯を守る―
Healthy Teeth, Healthy Mouth, Happy Long Life

日本歯科保存学会2014年度秋季学術大会(第141回)大会長
日本歯科大学新潟生命歯学部 歯科保存学第1講座
五十嵐 勝

このたび、第141回学術大会の開催を仰せつかり、東北は出羽の国、山形県で開催する運びとなりました。新潟生命歯学部ならびに新潟病院の保存学会関係者一同、名誉あるご指名と受け止め鋭意準備を進めております。

第141回大会のメインテーマは、「良い歯で健康、長寿の人生」といたしました。「良い歯」には、保存学領域の歯内療法学、保存修復学、歯周病学の3分野で歯の疾患を治療し、健康状態を取り戻した歯を含めた意味が込められています。その治療後は歯の疾患の再発を予防することで全身の健康を維持し、明るく楽しい長寿の人生が送れることを表しています。この3分野に共通する治療対象は細菌であり、その克服こそが健康に結びつくことに間違いはありません。3分野のエキスパートは、口腔常在菌のインフェクションコントロールを常に意識し、感染と直接戦う分野であるという共通項を有しています。

そこで特別講演1では、根管内バイオフィルム分野の世界的な先駆者であるカナダブリティッシュコロンビア大学歯内療法学教授Haapasalo先生をお迎えし、特に歯内療法分野でのバイオフィルムに関し講演していただく予定です。また特別講演2では、世界で初めて白色有機ELの開発に成功した山形大学工学部教授城戸淳二先生から、「最先端研究における成功の秘訣」と題して研究者へ向けたメッセージを講演していただく予定です。シンポジウムでは長寿社会にとって関連の深い日本老年歯科医学会、日本障害者歯科医学会、日本口腔リハビリテーション学会から本学会への提案をいただく学会主導型プログラムを、また臨床で歯を失う原因の一つである歯の破折を取り上げた討論などを検討しております。

歯を抜かずに長期にわたり保存したいと願う国民の増加に加え、今後超長寿社会を迎えると齲蝕病態が変化し、根面齲蝕が増加してくることは周知の事実となっています。齲蝕疾患の変化に対応すべく修復分野での取り組みが必要ですし、歯内分野では根管の狭窄への対処、歯周分野では複雑な根面への歯周疾患の拡延に対する的確な対応が迫られてきています。保存3分野を通して喜ばれる医療を提供すべく意義のある大会にしていきたいと願っています。

学会開催地の山形市は、東に蔵王連峰、西に出羽三山をかまえており、春夏秋冬の四季の美しいところです。果樹王国として6月のサクランボが最も有名ですが、秋にはラ・フランス、ブドウなど、食文化では芋煮、米沢牛、三元豚、山形米のはえぬき、手打ち蕎麦など、枚挙にいとまがありません。歯学部のない県のため、この学会で初めて山形にお越しの方も多くおられると存じますが、是非、食、歴史、観光をお楽しみいただければ幸いと思っています。皆様のお越しを心からお待ちしております。

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