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大会長挨拶

大会長

第37回日本接着歯学会学術大会
大会長 新海 航一
日本歯科大学新潟生命歯学部 歯科保存学第2講座 教授

日本歯科大学新潟生命歯学部におきまして第37回日本接着歯学会学術大会を本年11月10・11日に開催させていただきます.過去における本学会学術大会の開催を振り返りますと,第6回講演会(1988年)そして第21回学術大会(2003年)が日本歯科大学新潟生命歯学部で開催されましたので,本学部での開催は3回目ということになります.本学会はすでに36回の学術大会を開催し,接着歯学の発展に深く関わってきたのはまぎれもない事実であります.

近年における接着修復法の技術発展は目覚ましく,もはや接着なくして修復治療は成り立たない時代に突入していると思います.コンポジットレジンをはじめとする各種審美修復材料が口腔内でその機能を十分に発揮するには,歯質との十分な接着が必要不可欠であることはいうまでもありません.大学や企業の研究者達の絶え間ない努力によって改良が重ねられた信頼性の高い歯質接着システムが臨床応用されています.さらに,利便性の向上を図るべく接着システムの改良が試みられています.しかしながら,接着界面の経時的変化,口腔内ストレスが修復物の接着に及ぼす影響,ジルコニアやCAD/CAM用材料の接着等々,臨床的課題はいまだ十分に解明されていないのではないでしょうか.

そこで本学術大会のテーマは「接着を活かした修復治療はどこまで可能か!?」とさせていただきました.すなわち,ここまでは接着を活かせるがこの先は危ういといった,現状における接着修復の限界を基礎と臨床の両面から探りたいと考えております.このテーマのもと,特別講演として,日本大学松戸歯学部歯科生体材料学講座で今年3月まで教授を務められた西山 典宏先生から,基礎的な面から接着システムにおけるモノマーの働きについてご講演をいただきます.シンポジウムは2つ企画し,シンポジウム1では「直接法における接着修復の限界を探る」というテーマで,日本大学歯学部の高見澤 俊樹先生,浜松市ご開業の田代 浩史先生,横浜市ご開業の秋本 尚武先生,ならびにシンポジウム2では「間接法における接着修復の限界を探る」というテーマで,大阪市ご開業の六人部 慶彦先生,大阪大学大学院歯学研究科の峯 篤史先生,協和デンタル・ラボラトリーの木村 健二先生,各々3名のシンポジストからご講演をいただく予定です.また,大会両日ともランチョンセミナーを開催する運びとなりました.

海老原 隆実行委員長と鈴木雅也準備委員長を中心とする準備委員のメンバーとともに,鋭意,大会準備を進めて行きます.懇親会では,新潟の美味しい海の幸と地酒をご堪能いただけるように準備して参ります.一般口演やポスター発表に積極的なエントリーをいただきたく,そして多くの皆様のご参加をいただきたく,何卒よろしくお願い申し上げます.