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大会長挨拶Greeting

大会長

第36回日本接着歯学会学術大会 大会長
日本大学歯学部保存学教室修復学講座 教授
宮崎 真至

この度,「審美を支える接着歯学のVision and Action」というテーマで,平成29年11月25日(土)・26日(日)に,タワーホール船堀において第36回日本接着歯学会学術大会を開催させていただく運びとなりました.

接着という技術は,歯科臨床においては欠かすことのできない技術であり,歯科治療における基本的原則にMinimal Interventionという概念を付加することを可能としました.接着歯学という分野においては,我が国の技術が世界における接着治療を牽引してきました.その背景には,大学あるいは製造者をはじめとした研究機関において,基礎的な研究が継続されてきたことの成果によるものであり,これが臨床で使用されることによってさらに改良が加えられてきた結果もたらされたものです.いまや,接着技術の応用範囲は多岐にわたるものとなり,歯冠修復処置にとどまらず硬組織の再生治療へもその臨床応用が進められています.

歯科治療の目的は,機能性と審美性の回復にあることに関しては論を俟ちません。口腔内における咬合という機能を回復するとともに,これに審美性を付与することについても,優れた接着技術の応用が貢献しています.本学術大会では,歯科治療における審美を支える接着技術について,接着の基本となる考え方(Vision)とともに今後の展開(Action)について議論を深めたいと考えております.そのような気持ちを込めて,今大会のテーマを「審美を支える接着歯学のVision and Action」とさせていただきました.

大会第一日目は,接着の基礎的研究と臨床とをつなげることを目的として,シエナ大学学部長であるマルコ・フェラーリ先生をお招きし,特別講演を行っていただきます。また,第二日目には,接着歯学を応用した審美修復処置の臨床とその考え方について,東京都でご開業の土屋賢司先生から講演をいただく予定としております。また,一般口演については,ディスカッションの時間をできるだけ持つことができるように,これまでとは異なるプログラム設定とする予定です。本大会が,大学の研究者,一般臨床医および企業の研究者のいずれにとっても意義のあるものとすべく準備を致しておりますので,ぜひ東京都江戸川区の地に赴き下さることをお願い申し上げます.